音沙汰のないオービル この辺りの連中は心配しておる。まず、スチルウォーター湾、その次はゴールドロック・サドルじゃった。ワシらの集落が次々と見えなくなっちまって、北西へ向かった連中は、死んだ魚みたいに岸に打ち上げられとる。 あの古い製材所の若い衆には、オービルで潜水夫をしている家族や仲間がおるが、ここのところ、誰もそいつらの姿を見とらん。真珠どころか便りの1つもよこしてない。きっと、もう手遅れなんじゃろう!
ワシはあいつらに言ったんじゃ。谷間に住み着くのはやめておけと。だが、誰1人として耳を貸さんかった。あの物語を忘れてしまったのか?
遠い昔、王冠が3つに砕ける前、いや王国なんかができるもっと前の話じゃが、ワシらは奇襲を受けた。 半人半獣の野獣どもが、ワシらの血でヤツらの海を黒く染めようと、岸から押し寄せてきたのじゃ。そして海は黒く染まってしもうた。ヤツらはワシらと古き者たちとの絆を妬んでおったんじゃ。ヤツらにとって、古き者たちは、自分たちの神々の使いだと信じていたからのう。あんな連中を打ち負かせたのは、間違いなく人間の技術と戦略のおかげじゃ。
今となっては、ワシらのほとんどがその話を忘れてしまっているが、ドラクはそうではなかったらしい。ヤツらが戻ってきた。ワシはそう信じとる。ワシにはわかる。じゃが、こんな老いぼれの話なんぞ、誰も聞きゃあせん。 |